Kosuke Jodai X Kugyo Soequida DOUBLE PHOTOCOLLAGE EXHIBITION EMITS "REAL"終了しました。お越し下さった皆様、ありがとうございました。今回の展示は少々特殊な手法によって行いました。



 城台 宏典と九条添紀太。同じフォトコラージュという手法によって提示するリアルの意味と肖像を展示した訳ですが、城台 宏典側のリアルは「現実」に焦点を当てた内容になっておりました。普段使われているリアルは現実に即していながらも過剰に脚色された現実離れした言葉に成り代わってしまったと言う問題提起の元、その浮世離れしてしまった「リアル」というものを提示しながら、リアルの本来の意味である現実を触発させられるか、という事をやりました。展示した3点が提示した内容は『循環システム』『従順の美学』『延命の懇願』なのですが、果たしてどれほどの人に伝わったのか。注釈のような文章は抽象的な詩のようなものになっていて理解の助けになったのかどうか。



 そして九条添紀太。リアルが意味する「真実」に焦点を当てています。城台 宏典の「現実」よりもむしろこちらが今回のEMITS "REAL"というタイトルでの展示の肝と言うか、最大の目的でした。城台 宏典のEMITS "REAL"は「現実を発する」という意味になるのですが、いつも通りのことを小規模で行ったものでした。重要なのは九条添紀太のEMITS "REAL"「真実を発する」事にありました。今回の展示内容を告知するに当たり、あまり自分は九条添紀太という人物に対してあまり紹介をしなかった。しないようにしていた。今回一緒に展示する相方のはずなのに。

 そもそも九条添紀太とは何者なのか、どんな奴なのかという話しになる訳ですが、別に取り立てて語るようなエピソードは九条添紀太にはありません。今回の展示でやってみたかった事。実際にギャラリーに足を運んでもらい、発した真実に直面してもらいたい。EMITS "REAL"にはそういった願いや思いがあり、「現実を発する」というのは半ばどうでもよく、統一感や整合性をとるための後付けに近いものがありました。

 「真実を発する」とは何か。真実とは何か。それは、九条添紀太という人物は存在しないと言う事。九条添紀太は城台 宏典が使っていた別名義の名称。ちょうど1年前に修行の意味で始めた作品群。九条添紀太での作品にはルールがあり、「着手したその日中に完成させる」というものがある。作品製作に10日〜数ヶ月を要する城台 宏典の作品群とは対極にある。しかし時間こそ掛かってはいないが、作品の出来が思いのほか良かったので、城台 宏典としてではなく、正体を隠して密かにその作品群を発表するために九条添紀太が生まれた。そして、九条添紀太名義での作品群を何らかの形で発表したいと考えたのが、今回の展示に至った発端です。九条添紀太について多くを語る事がなかった事、そして2人展のように装い、一度も「2人」という表現を使わずにやってきた事、観る者の知覚を支配し、解放する事。ただ展示するだけでは芸がない。と同時に、2つの名義を使い分ける事が面倒になってきた。EMITS "REAL"は九条添紀太誕生1周年の記念祭であり、同時に九条添紀太という存在を消滅させる為の儀式でもあった。

 自前写真のみでの空間形成が城台 宏典のネームバリューであり、それを侵さない為の避難所、製作速度の向上が九条添紀太の役割であったが、今回の展示EMITS "REAL"を機に、九条添紀太としての活動・作品を城台 宏典に統合しようと思う。もちろん、自前写真のみでの空間形成という姿勢は崩さない。世に訴えかける、自分のアート作品としての制作方法は変わらない。それ以外の場合、「自前写真のみ」という価値と同時に、その縛りから開放される意味も込め、より自由な範囲での制作活動を行うための転換期として、EMITS "REAL"という機会を設けた。実際に展示するまでに何度もバックグラウンドの公開という点で、するべきではないのかも知れないと思う事があった。しかし考えを巡らせる内、前進に繋がると思えた時から一気にポジティブになれた。今はとっても前向きです。


 九条添紀太についてよく分かる唯一のサイト、クリエイターズバンクのアカウントはもうありません。消滅しました。これでいい。計画通りだ。しかしながら、その計画も去年からあったもの。本当はもっと早く思いを実現させたい。やるべき事とやりたい事が思いつくのは簡単だ。しかしその中のどれを実行に移すのか、アイデアの表出は一瞬だが、実現には多くの時間当力を要する。前に進む意思はあっても、思うように早く進めないのが世の常。どうにかしたい。


2012/08/06 HAPPY BIRTHDAY Kugyo Soequida
2012/08/12 R.I.P. Kugyo Soequida

九条添紀太=Kugyo Soequida=Kujo soekida=Kosuke Jodai=城台 宏典


 九条添紀太は城台 宏典のアナグラム。ミスリードにまんまとはまって下さった方々、ご無礼をお許し下さい。そして、本当にありがとうございました。Kosuke Jodai X Kugyo Soequida DOUBLE PHOTOCOLLAGE EXHIBITION EMITS "REAL"は、結果的に城台 宏典の個展という事になります。


ギャラリーページにて展示の模様をアップしています。
http://www.glowdefectivesoldier.com/2012exhibitions