霊体に等しい姿の彼等は蛹。焼き付ける事で完成する彼等を送り出す用意が整いつつある。繭を破いても、誰の目にも映らない。だから肉体を手にするのだ。彼等に肉体を提供するのだ。たとえ手を触れ合わす事が出来なくとも、私が望む、彼等の役目は果たされる事を願うばかりだ。彼等を生み出した責務と正面から向き合い、その身をすり減らしてでも血肉を分け与える。収まりのいい箱も、彼等と顔を合わせ、対話出来る窓も与えよう。悲観するな。全てはその時の為だ。苦しむ事が、彼等への賛辞となるよう。


 闇を軽蔑し、決別を果たさんとする者。
 自由への証明を、他者への害悪を持って証明せし者。
 翼の生えない幼子を放り投げ、嘲笑う家族の風景。
 崇め、囚われる弱者達の集い。


 それぞれが眼前で巻き起こる。まだその時が来なくとも、いずれやって来るその時に、彼等に私の意志を預け、宿木となる肉体を与えよう。