破片のゆりかご

 因果応報からは逃げられない。誰かが言っていた。覚えているけど名前は出さない。言葉からは不幸が巡って来るような印象を受ける。だが逆に、幸福もまた巡って来るのだと知らなければならない。「不幸には目を瞑れ」とは言わないが、真っ向から対立することもなかろう。


 さて、何を思い、何をするべきか。共感か、同情か、それとも嘲笑か。同じ思いになろうとも、その隔たりは埋まることは無く。情けをかけようとして、己の現実に背く事もまた正しいのか。常に暗黙の内に競争を繰り広げる我々は、淘汰される者達を見送り、一瞬の勝利に浸るのか。


 私は元気です。あまり情報を受け取らず、自分の日常を続けようとしています。人と関わりを持てば、少なからず何らかの影響を受けます。命を危機に晒すほどの事ではなくとも。因果応報からは逃げられない。顔の知らない者達からの贈り物を受け取り、仲介者を経て、そのお返しをする。


 あなたは包装紙を綺麗に開けますか。それとも逸る気持ちを抑えきれずに破きますか。
 箱は取っておきますか。それとも捨ててしまいますか。
 開く事も、破く事も、残す事も、捨てる事も、全て選択であり、全てその手を使わなければならない。


 あなた次第だという事。