BEST ALBUM 2010

 面白いやり方は思いつかなかった。オーソドックスにベスト10を列挙していくことにした。画像はデジカメ使用。


10位 - Black Ribbons : Shooter Jennings & Hierophant

 早速ジャケ買いです。Sonny Kayデザインだから買ったんですが、中身は意外に良かった。やたら色々な音が混在している。個人的にポイントが高かったのは、曲間にシンセを流しながらアナウンスが入り、次の曲について何やら語っているところ。このシングルの寄せ集めではなく、1つのまとまったアルバム感が堪らない。

Black Ribbons [Analog]

Black Ribbons [Analog]


9位 - Patagonian Rats : Tera Melos

 これまでの破壊音達から一転、ポップさが高まり、同時にアルバムとしての構成度が格段に上がった。音量高めにすれば今まで通りのTera Melosを感じることも出来る。と感じたのはライブを観てから。今年は3回しかライブ行ってない。形あるものを追うのもいいが、ああしてライブに行くのも大事だな。

Patagonian Rats [12 inch Analog]

Patagonian Rats [12 inch Analog]


8位 - Fang Island : Fang Island

 カーニバルやサーカスといった独特な雰囲気が全体を覆い、ポップさが前に出ていると思いきや、ふと悲壮感が漂わせたり、マイナスをプラスに昇華させたポジティブなエネルギーを感じる。

Fang Island [12 inch Analog]

Fang Island [12 inch Analog]


7位 - Face Tat : Zach Hill

 カオスやシュールという言葉が安売りされる昨今、その言葉の本当の意味を体現してきた数限りない雄。その男がこんなまともなアルバムを作ろうとは誰が想像した?前作やHellaでの主導アルバム「Church Gone Wild」で魅せたあれを予想していただけに、この方向性は意外ッ。やけにプレステ初期臭い感じがする。CGというよりも、ポリゴンという響きが似合いそうな音だ。

Face Tat

Face Tat


6位 - Elect the Dead Symphony : Serj Tankian

 曲それぞれのアレンジが以上に上手く、The Unthinking MajorityとPraise the Lord And Pass the Ammunitionが演奏されなかったのが惜しい。しかしそれを代償にして演奏された「Falling Stars」は素晴らしい。また、アルバムの曲順を変えることで、楽曲が別の表情を見せる点は大きい。特に、Honking Antelope、Saving Us、Elect the Deadの流れは秀逸。限定ポスターが2枚、2回に分けて届いたんだけど、あれはどうすればいいんだろう…。

Elect the Dead Symphony [Analog]

Elect the Dead Symphony [Analog]


5位 - Cizaña De Los Amores : Omar Rodriguez Lopez

 他の追随を許さないというよりも、他の干渉を許さないといった雰囲気が漂う。アートワークからね。アモールアモール。実際に手にとって見るとちょっと暗いんだよ。いい味が出てる。そして暗黒面を感じる。こんなシンプルな絵に何個突っ込みどころがあろうか。
 中身に関していえば、マルセル率の高さに驚嘆。3曲目「Victimas Del Cielo 」のハモンドオルガンの生々しさ、空気の振動は是非感じてもらいたい。

Cizana De Los Amores [Analog]

Cizana De Los Amores [Analog]


4位 - Go : Jonsi

 シガーロスは存在は知っていたけれど、今まで聴いたことはなかった。このアルバムはジャケットが偶然目に入り、購入。アマゾンに何が起こったか、700円位で買えた。
 個人的には3曲目「tornado」がグッと来た。こんな凄い奴を今までスルーしていたのか。勢いで残響のLPを入手。欲を言えばジャケットは見開きであって欲しかった。これに限らず、前後で1枚の絵になっているものは全部。

Go [12 inch Analog]

Go [12 inch Analog]


3位 - EURAFRICARABIA : THE NEW EARTH GROUP

 多分、このバンド日本で取り扱ってる所ないんじゃないかな。オランダ産のかなり凄いバンドなんだがな。勿体無い。今作は2ndアルバムで、1stアルバムは2曲だった。今回は6曲。LP2枚組みで、EURAFRICARABIAというタイトル通りの音が展開される。1曲目に短めな自己紹介的な曲があり、2曲目でメンバー各人のソロが展開される。奔放なジャムが展開されているようでありながら、しっかり地に足の着いた構成になっている。ジャム後に訪れる音の集結は笑うしかない。

http://www.thenewearthgroup.nl/
http://music.thenewearthgroup.nl/album/eurafricarabia


2位 - Imperfect Harmonies : Serj Tankian

 前作、Elect the Deadは人生の名盤として勝手に認定している。あれほど完成されたアルバムもないだろう。オペラっぽいアルバムを作るつもりがロックアルバムを作り、自ら間口を狭めたのに対し、今作はSerj Tankianが出来る、やってきたものが絶妙に混ざり合っている。System of a Downの呪縛に縛られないソロらしいアルバムを作れている。2曲目「Borders Are...」は素晴らしいの一言。リリース前にフリーダウンロード出来て、何度も聴いたせいか、リリースされた当初はその他の曲を何度も聴いたけれども、今はBorders Are...が1番いい。これも欲を言えばジャケットは見開きであって欲しかった。いや、3面もありか…。そして2枚組みであって欲しかった。これまで出た3枚のアルバムは出る度にグレードダウンしていっている。Elect the Deadのクオリティが欲しい。

Imperfect Harmonies [12 inch Analog]

Imperfect Harmonies [12 inch Analog]


1位 - Fear Is Excruciating But Therein Lies the Answer : Red Sparowes

 アルバム全体の流れが秀逸。Voのいないバンドが、音だけを頼りに5年以上活動し続けて来て辿り着いた境地とも言え、だからこその説得力を感じる。特に7曲目の「A Mutiny」の破壊力は一聴の価値あり。むしろこの曲のおかげでこのアルバムが今年1番になった要因といっても過言ではない。

Fear Is Excruciating But Therein Lies the Answer [12 inch Analog]

Fear Is Excruciating But Therein Lies the Answer [12 inch Analog]



 以上、10枚だけピックアップするとこんな感じになるが、他にももっといいものはあった。改めて見てみると、Sargent House率の高さが気になる。来年はSargent House(というかRLP)を追いかけるだけでえらい事になりそうな気がしてならない。もっと視野を広げねばとも思うんだが。