2019/05 月末活動まとめブログ「砂金」レコードを作りたい理由

 5月も終わりに差し掛かったと言うことで、活動再開から半年が経過し、もう半分が過ぎてしまった状況です。

 

 11月に行うクラウドファンディングですが、もしかしたら10月の最終週に早めて開始するかもしれません。これについてはまた今度書かせてもらいます。

 

 twitterで済ませられる小さいお知らせばかりだな、と思っていたら塵も積もれば山となるでだいぶ雪崩を起こしかけているぐらい情報が溜まってしまいました。順に貼っていきます。

 

 

 

 

以上がお知らせ部門になります。

 

 

twitterをあまり動かしていない。そう思い立って出てくる言葉を連ねました。今は日雇い派遣のみで生計を立てています。立てていますと言っても、まだそれだけの収入でやりくりはしていませんが、来月からはそうなっていくでしょう。ほぼほぼ地獄です。しかしこの道を選んだからには利点もあるんです。

 

昔は飲食店で働いていたもんだから、イベント出展などでは土日に休みが欲しいわけです。しかし飲食店といえば土日にこそ出勤しなければ意味がないわけで、そこで休みをもらうことにひどく負い目を感じていた。それはこれまでずっとそうだった。

 

このイベントには出れる、こっちのイベントにも出たいけど休みすぎてしまうから出れない。古典の在廊も出来ずに無人で会期を終わらせたこともある。今思えば一体何のためにやったのかわからない。

 

どうしても短期的な目で選択してしまうのだけれど、本来それって間違ってないか。こう書き出してみてしごく当然の思考であるにも拘らず、こうして問題意識を持ってしまう。本来、問題にすらならないはずなのに。完全に染み付いちゃってるんですね。

 

土日に休みをもらうという考えから脱却しようと思いました。その結果が日雇い派遣です。こちらから入れる日を指定できる。しかしこれは諸刃の剣どころか、完全に底なし沼に片足突っ込んじゃった状態でズブズブ沈み始めている状態です。

 

イムリミットが迫っている。

 

沈んでしまう前に、別の収入源を得なければ完全に堕ちていく。アーティストと言う言葉のイメージのせいでどうしても作品そのもののプライドみたいなものがあると思われてしまって孤高の存在を演じさせられてしまうのだが、そんなものは知ったことではない。

 

アート作品を作り続け発表するために、生きるために「仕方なく」やっている別の仕事は最高にダサいし、今自分は最高にダサいの極地にいると思う。ほかの人は知りませんが、城台は今の状況を最悪でクソだと思っています。

 

「そんなことないよ」と慰めてくるかもしれない。しかしそれで少しでも安心して歩みのスピードを緩めてしまったらすぐにダメになってしまう。

 

大学の奨学金の返済、車のローン(今は手放している)、仕事やめてから生活費が入るまでの一時金で10万円ローンで借りた。

 

家賃その他の支払いに、これらの返済が毎月乗っかってくる。これをこなして尚且つ自分の活動がある。今はゆっくり自分のペースで、と言っていたら、「ローン返済するために生きている身体」になってしまって、それはつまり死体であり、全自動労働機械と変わらない。やさしい言葉に耳を傾けているわけにはいかない。耳をふさぐだけではどうにもならなかったら、その場から消えるしかない。

 

そうはしたくない。

 

 

など思いながら、残りの時間が短くなっていきながらやっています。やらなければならない。この無風状態で自分自身が風を起こさなければ船は前には進まない。

 

 

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来月の予定です。

6月8(土)・9日(日)に福岡天神大丸前パサージュ広場にて、ライブペイントと物販です。物販はTシャツとステッカーと缶バッチです。Tシャツは3種類になります。新作はS・M・Lとサイズが選べます。

 

そしてなんと言ってもこれの実験が期待と不安でいっぱいです。

gds.buyshop.jp

当初はSM判で販売のつもりでしたが、F3号(273mm × 220mm)に変更になっています。やっぱり小さすぎるな、と思ったのでサイズを変更してみました。大きすぎても日本家屋には不釣合いなのですが、一番絶妙なサイズはここじゃないかと思いました。

 

そして販売価格ですが、1つ10,000円にしています。普通に安すぎる価格なのは間違いありません。しかしこのPANDEMO-HELTHの原画って1つも売れたことがないので、もとい売る努力を1ミリもしてこなかったのでこの価格から始めたいと思います。

 

そして売れてしまった場合、次の機会では値段を上げていきます。株券方式です。最初に買った人は安くで手に出来て、どんどん価値を増していくスタイルです。

 

さぁ買うなら今ッ!!

 

といった感じでやります。

 

 

それでは「砂金」5月号です。なぜレコードが作りたいのか、城台が作るレコードはどういう意味があるのか。

 

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なぜレコードを作りたいのか。

 


ちょくちょく口にしてはいるが全貌を伝えられずに今日まで至ってしまった。

 


なぜクラウドファンディングを使うのか、なぜグラフィックデザイナーとして出さなければならないのか。

 


この説明それ自体をも解決できてしまえるものだと言うのに。

 


しかし城台は待っていた。

 


ただ闇雲に文章に起こしたところで、100%伝わる保障はないと言う事を。

 


そもそも時代錯誤でもはや過去のものとなってしまっていると認識されてしまっているレコードを作りたいと闇雲に言ったところで伝わるわけがない。

 


これを何度も繰り返したところで、中身に触れられる事もなく、ただただやっかまれるだけなのだ。

 


明確に的確に自分の想いを伝えられる状況になってからでないとダメなんだ。

 


リボルバーの弾は限られている。

 

 

 

さて先日、城台の人生の最終目標をお伝えさせて頂いたわけだが、その決意表明としてルイ・ヴィトンのブレスレットを購入した。

 


それと同日、米国よりあるレコードを注文していた。城台が作ろうとしているレコードに限りなく近いコンセプトのレコードがあったのだ。

 


対談企画と称してEPの魅力をコンポーザー視点、グラフィックデザイナー視点で語る企画の中で、影響を受けたバンドとして幾度となく登場するバンドがあった。

 


カナダの3ピースバンドのRussian Circlesだ。

 


このバンドが2年前に出したライブアルバムが、城台が作ろうとしているレコードを上手く説明・代弁してくれるものになっている。

 


そのライブアルバムはデジタル配信と1000枚限定のレコードでのみリリースされたものだ。CDではリリースされていない。

 


1000枚限定のレコードはあっという間に売り切れた。後から欲しくなった城台は絶望した。日本のアマゾンでは取り扱っておらず、オフィシャルサイト経由でのみであった。

 


後から欲しくなった城台は絶望した。送料がバカ高かったのである。それが躊躇した最大の要因だ。

 


が、つい最近1000枚再プレスされてリイシューされた。この寛大な奇跡に飛び込んで購入した次第であった。

 


ライブアルバムのタイトルは「LIVE at Dunk fest」。音楽フェスに出演した際のライブの模様が刻まれている。

 


ここが肝なのだが、この当時のライブは配信でもリリースしている。

 


さらに言うと、当日のライブはYoutubeで全編映像で閲覧できる。

 


これはファンが不正に撮影してアップしたものではない。

 


「Dunk fest」の主催側がアップした映像だ。

 


リンクを貼っておきます。

 


Russian Circles (live at #dnk16)

 


今すぐRussian CirclesのLIVE at Dunk festを追体験できる。

 


この日のライブは恐らく2005年から続くRussian Circlesのキャリア史上最も完成度の高いライブになっている。

 


演奏内に一切の無駄がなく、しかし急ぎ過ぎずじっくりとやる。そこに冗長さなどカケラもない。信念の潮流だけがある。

 


最後の曲のYoung Bloodだけでも聴いて欲しい(1:03:55ぐらいから)。この日Russian Circlesはフェスのトリ。最後の最後でこの曲。

 


ちなみにこの曲のオリジナルが収録されているStationというアルバムはジャケットが怖すぎて出会ってから9年間手が出せなかった城台的には曰く付きのアルバムだ。

 

 

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Station

Station

 

 


コンセプトや伝えたい事は明確にはわからないがなんとなく、ここに写ってる人達は全員死んでしまったんだろうな、という無言の気迫。

 


このライブアルバムの衝撃に後押しされてようやく最近手に入れることができた。

 


とまぁRussian Circlesの紹介ばかりしていてもしょうがないので、この事で何が言えるのか。

 


本当にこのライブアルバムの完成度は凄まじく、万人に届いて欲しい、歴史に刻むべきものだ。

 


だからYoutubeで広く世界に届ける。

 


それと同様に、レコードとして「音を具現化」させて「所有してもらう」に相応しいものだという事。

 

 

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レコードは盤に溝を掘って、そこにレコード針を落として音楽を聴く媒体だ。

 


レコードを作るという事は、音を具現化する、文字通り形にする事だ。

 


ただレコードを作るには個人ではとても太刀打ちできない予算が降りかかってくる。しかし城台としては、おそらく音楽人生の最盛期にして最後になる可能性が非常に高いアルバムが完成する。それは広く届ける必要がある。それと同時に絶対に具現化させたい存在なんです。

 

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アルバムレコードのカラー盤完成予想図

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EPタイトルは企業理念になります。一生背負っていくと決めた言葉だから。

 

 

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広く届けるというアプローチの仕方はまだ考案中だが、CDを全国流通させるという方法はその一つだ。

 


レコードを制作してレコードストアデイにぶつける。これは何者でもない自分がリテラシーの高いところに投下する事で認知してもらう事を目的としている。

 


レコードは過去の遺物で一部のマニアのものではない。そうするためには現在レコードを制作して未来に繋げていくしかない。これはミュージシャンだけの問題じゃない。リスナーだけの問題じゃない。音楽のフィジカルプロダクトに関わって生きていきたい。そんなグラフィックデザイナーとしても、こうしてレコード文化が廃れていくのは非常に困るわけだ。

 


伝統芸能や伝統工芸のように、遺して紡いでいきたいものなんだ。作りたいし、作らなきゃいけないんだ。

 


今週のヒットチャートを追いかけるだけでは現代の音楽を全て網羅することはできない。より本質的にいい音楽の熱量を把握するものは何か、それはレコードにあると思っている。

 

一般的なサイズ12インチのレコードの片面に入る時間は決まっている。長くて約20分。レコードに直接音を刻むのだから当然と言えば当然。

 


7インチシングルともなれば45回転のもので片面4分30秒。

 


デジタル配信では時間の制限はない。曲数も無制限だ。しかしレコードは違う。

 


アルバムを作ろうものなら数十万円のコストなど平気でかかってしまう。レコード1枚で作れるアルバムの長さは40分程度。7インチシングルでは片面にたった1曲。制作者の想いは計り知れない。

 


この限られた時間の中に閉じ込めた音楽こそが本物ではないだろうか。

 


城台のアルバムは50分程度になるので2枚組で挑む事になる。無理矢理1枚で作る事も可能だ。しかしそうなると音がギュウギュウで音質は最悪になる。


適正な音圧と最高の音質を目指すには2枚に分けないといけない。


全世界のディガーは古い音源を探しているんじゃない。音楽史の中で膨大なアーカイブから埋もれてしまった「最良の音楽」を掘り起こそうとしているんだ。

 


最良の音楽に時代は関係ない。新しい出会いは精神の最先端だ。全世界のディガーよ、これは過去に縛られず、埋没しないための未来に裏返るための、より深く潜るための酸素ボンベだ。

 

息をしろッ!!

 

 砂金

 

 

 

 ちなみに、日本でもっともハイテンション名ロックバンドHEREのサポートドラムをしているユージ・レルレ・カワグチこと#STDRUMによるアナログレコーディングによるアナログレコードの制作クラウドファンディングをサクセスさせて来月リリースされます。これは凄い。ジャケットまで完全アナログDIYで感動しています。